確定申告ソフトは古くても問題ないか?

古い確定申告ソフトの問題

確定申告ソフトを導入するに当たって、体験版等で使用して導入を決めたら、実際にソフトを購入することになります。この場合、費用を少しでも抑えたいと中古などの古いソフトを購入した場合どのような問題があるでしょうか?また、購入したソフトはバージョンアップの都度購入する必要があるのでしょうか?古いまま使い続けた場合の問題点はあるのでしょうか?

機能的な問題

クラウド型の確定申告ソフトの普及に伴って、ネットバンキングなどの取引情報を自動取得し仕訳出来る機能がインストール型のソフトにも導入されるようになりました。そのため、古いソフトは対応していませんので、全て自分で仕訳してソフトに入力することになります。

しかし、口座取引やカード取引の自動取引が少ない場合はメリットはほとんどありませんし、毎回ネット上の取引履歴を取り込むのも手間が掛かります。取引件数が少ない場合は、重要視する必要はないと思います。

次に、古い確定申告ソフトは税法の変更に対応しているかという問題ですが、税法上の変更は主に2点です。まず、消費税率の変更ですが、相当古いソフトで無い限り消費税率10%にも対応していますので問題ありません。

次に、減価償却の方法ですが、小額減価償却資産についての特例処置が時限立法で期限が有りますが、逐次期限が延長されています。仮に今後延長されなくなっても、延長されていないという事実だけ確認すれば、その期間の償却処理に特例処理を適用せず通常通り行えばいいので、現在のソフトで処理は出来ますので問題はありません。

最後に、確定申告の書式が変更になった場合ですが、毎年変更になるわけでは無く数年に1回程度の割合で変更になります。その場合は、古いソフトで作成した確定申告書と決算書を国税庁のホームページ上にある確定申告書作成コーナーと決算書作成コーナーから転記する方法で作成出来ますので全く心配はいりません。作成方法については別途紹介いたします。

互換性の問題

古いソフトでも数年は使用することが出来ますが、ソフトによっては一定年数ごとにバージョンアップしないと古いデータの取り込みが出来なくなることがあります。ソリマチの「みんなの青色申告」は全てのバージョンで互換性があるようですが、弥生会計の「やよいの確定申告」はコンバート出来なかったり、方法が難しいといわれています。

一年間の帳簿は、帳票ベースで出力して保存するのが原則ですが、ソフト上で保存管理しているだけの方は非常に多いと思います。そうすると、互換性が有れば一つのソフトで対応できますが、互換性が無いと税務署の立ち入りが有ったときに帳簿を提示できないか、複数のソフトで管理して出力し提示することになりますので、かなり面倒です。

そのため、税制の変更が無ければそのまま使い続ければよいわけですが、重大な変更が生じたときに対応するためには、互換性が無くなる前に買い替える必要があります。「みんなの青色申告」は7~8年は使用できますが、古いソフトは新しいwindowsなどのOSに対応できなくなる可能性があります。

金額的なメリット

中古の青色申告ソフトは、オークションで「登録不可」の場合は2~3,000円程度から、未使用でも5,000円程度で有ります。しかし、新品でも確定申告の期間を過ぎれば3割以上値段が下がりますので中古のメリットは低いです。

さらに、新品の場合は、サポートを受けられますので、確定申告ソフトの使い方になれない間はいろいろ質問したり、自分の業種に合ったカスタマイズも教えてもらうことが出来ますので、新しいソフトを購入されるのをお勧めいたします。

まとめ

結論として、新しい確定申告ソフトを購入して、毎年バージョンアップの必要の無いソフトを使い続けるのがコストパフォーマンスも良く望ましいと言えます。しかし、税理士に一部の作業を依頼する場合は、税理士と同じソフトに合わせる必要がありますので、選択肢は少なくなります。